トワイライトウォリアーズの展示を通して、映画の舞台だった1980年代の香港人の人情に触れられるなんて…。
ファンにはたまらない体験でした!!
帰り道香港のレトロカフェで映画や展示の余韻に浸る…なんていかが?
トワイライトウォリアーズ展示とは

映画の世界観と展示のつながり
1980年代の香港を舞台にした映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦 九龍城砦(原題:九龍城寨之圍城)』は、庶民の暮らしや人情味あふれる街の姿を描いた作品です。
今回の展示では、そんな映画の世界観の忠実に再現した空間が広がっており、訪れる人々はまるで映画の中に入り込んだような体験ができます。
展示では、登場人物が通った冰室(喫茶店)や髮廊(理髪店)、士多(雑貨店)などが再現されており、映画の名シーンが蘇るような感覚に。
セットの細部までこだわりぬかれていて、照明や音響演出も映画さながら。
映画ファンはもちろん、レトロな香港に興味がある方にもおすすめです。
展示「九龍城寨之圍城光影之旅」について
詳細情報
映画トワイライトウォリアーズの展示は現在、香港の九龍城寨公園で開催中です。
以下に詳細情報をまとめました。
留意点

展示は全体でA-Hの8ブースに分かれており、じっくり見て回るなら一時間ほど想定しておくとよいです。
但し、混雑時には観覧時間が制限され、15分程度で退場を求められます。
再入場には再度チケットが必要になるため、時間に余裕をもって訪れるのが安心です。
館内は写真撮影OKで、レトロな街並みや再現セットはどれもSNS映え抜群!
お気に入りのシーンをぜひカメラに収めてみてください。
展示へのアクセス方法

MTR宋皇臺駅からの行き方
B3出口からのルート詳細
B3出口を出たら、まず南角道をまっすぐ進みます。
突き当たりまで歩いたら、賈炳達道を右折。
そのまま直進すると、左手に同興藥行が見えてきます。
お店の前にある横断歩道を渡り、九龍城寨公園側へ。
渡ったらすぐ右折し、公園の「6番ゲート」から入場しましょう。
まっすぐ進むと「九龍城寨南門」が現れ、そこが展示会場の入り口です!
- 1MTR宋皇臺駅B3出口を背中に南角道を直進

- 2南角道突き当りを右折

- 3賈炳達道を同興藥行まで直進

- 4同興藥行正面の横断歩道を横断


- 5横断歩道渡ったら右折し公園6番ゲートまで直進


- 6九龍城寨南門まで直進

- 7会場到着

九龍城寨公園入場の際6番ゲートを選ぶ理由
九龍城寨公園に入場の際は、6番ゲートからのアクセスが断然おすすめです。
展示会場に一番近く、道順もとてもシンプル。
ゲートをくぐってまっすぐ進むだけで、展示会場に到着できます。
初めて訪れる方でも迷う心配がなく、スムーズに展示を楽しめますよ!
混雑状況とおすすめ時間帯
展示は週末は特に込み合います。
一方、平日は比較的空いていて、ゆっくりと展示を楽しめる穴場タイム!
開場直後と、太陽の高い時間帯は、特におすすめです。
(早朝や暑い時間帯は客足が少ないため。)
混雑時には観覧時間が15分に制限され、再入場には再度チケットが必要になるため、時間に余裕をもって訪れるのが安心です。
私は平日の太陽カンカン照りの時間に訪れましたが、ほぼ貸切状態で、映画の世界にどっぷり浸ることができました。
展示の雰囲気をVlogで体感しよう|香港映画ってやっぱり素晴らしい!
実際に展示を訪れた様子をVlogにまとめました。
映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦 九龍城砦』の世界観を、現地の空気とともに感じていただけます。
展示の見どころやアクセス方法、カフェ「大和堂」までの流れも収録しています。
トワイライトウォリアーズ展示の見どころ
大花牌

会場に一歩足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが高さ3メートルを超える巨大な「大花牌(ダーイファーパーイ)」。
本来、大花牌には「誰が、誰に、何を祝っているか」が記され、祝福の気持ちを華やかに伝える役割を果たします。
最近では、劇場のスタジオや出入口に飾られ、舞台の成功を祈る象徴としても親しまれています。
赤、金、緑の鮮烈な色彩が重なり合い、緻密な装飾が施されています。
この大花牌は、劇中では、亡くなった者の魂を慰めるための道教の儀式空間に、お香の煙が漂う中、この大花牌が静かに佇んでいました。
華やかさの裏に潜む緊張感…それは、トワイライトウォリアーズ全体に流れるテーマでもあります。
祝祭の装飾でありながら、どこか不穏な空気を纏う大花牌は、まさにこの作品世界の縮図のようです。
街並み|九龍城寨的歷史

かつて無法地帯とも呼ばれた九龍城砦。
その雑然とした街並みと独特の活気を再現したセットです。
狭い路地に密集する建物、壁に貼られた看板、むき出しの配管…細部まで作りこまれたセットは、まるで時代を遡ったかのような没入感を与えてくれます。
夕暮時にはネオンが灯り、空のグラデーションとセットの印影が絶妙に重なり、映画のワンシーンのような写真が撮れます。
七記冰室と龍城髮廊の再現セット
七記冰室|映画の記憶がよみがえる喫茶店

映画「トワイライトウォリアーズ」の中で、登場人物たちが語らい、心を通わせる場所として印象的だった「七記冰室」。

展示では、その冰室が再現されており、まるで映画のワンシーンに入り込んだような感覚に包まれます。

店内には、当時の香港らしいパイプのテーブルや椅子、壁に貼られたメニュー表まで細かく再現。

照明の色味や換気扇も映画そのままで、訪れた瞬間にノスタルジックな気持ちがこみ上げてきます。

写真撮影も可能なので、映画の登場人物になりきって座ってみるのもおすすめ。
レトロ香港の空気を肌で感じられる、展示の中でも特に人気のスポットです。
龍城髮廊|庶民の暮らしが息づく理髪店

龍城髮廊は、映画「トワイライトウォリアーズ」の中で、庶民の暮らしや人間模様が描かれた印象的な場所。

登場人物龍捲風(ロンギュンフォン)が営む理髪店として、物語の温もりが詰まった空間です。

展示では、古びた理容椅子や鏡台、壁に貼られたポスター迄忠実に再現されていて、まるで映画の中に入り込んだような気分に。

龍捲風(ロンギュンフォン)の店にふらりと立ち寄ったような感覚で、当時の香港の街角の空気を肌で感じられるセットです。
士多とカイロプラクティックの再現セット
士多(ストア)|四人の友情の象徴

映画「トワイライトウォリアーズ」の中で、九龍城寨の無法地帯で起きた悲劇が、主人公と仲間たちの絆を深めるきっかけとなります。
ある女性が命を奪われた事件に、主人公は怒りを抑えきれず、正義を貫くために立ち上がります。
その場に居合わせた三人の仲間も同じ思いを抱き、四人は力を合わせて犯人に立ち向かうことに。

そのとき、顔を隠すために使われたのが、ハイエイトチョコレートとお面。
それらを調達したのが、街角の雑貨店士多(ストア)でした。
主人公は母を失った少女の気持ちを思い、なけなしのお金でチョコレートを購入。
それを仮面代わりに使うという、切なくも印象的なシーンが生まれました。

当時の士多の雰囲気が忠実に再現されており、棚に並ぶ商品やレトロな看板が、映画の記憶を呼び起こします。

この場所は、四人が無二の同志となった絆の象徴として、展示の中でも特に心に残るスポットです。
四仔のカイロプラクティック|雄彪跌打館

跌打館とはカイロプラクティックに近いものの、香港では武術と密接に結びついた民間療法として発展してきました。
香港のドラマや映画で跌打館は、人間模様が交差する場所として使われることが多いです。
例えば、「インファナル・アフェア」や「古惑仔」シリーズでも、跌打館は登場人物の過去や葛藤が浮かび上がる場面として描かれています。
本作では、主人公の仲間四仔が跌打館を運営し、九龍城砦内で医療行為を行っていました。
正確には、医療資格のない民間医療施設でしたが、劇中王九との抗争により酷く負傷した主人公の手当てをし、命を繋いだ場面が印象的でした。
魚蛋屋での少女との心温まる交流|大井魚蛋

香港人のソウルフード魚蛋は、庶民の味の象徴。
展示の「大井魚蛋」は、そんな親しみある食文化を背景に、物語の温もりを感じさせる空間です。

雑然とした九龍城砦の中で、ほのかに温かい…そんな印象を受けるセット。

黄ばんだ壁や黒ずんだ広告、湯気の立ち上る屋台の雰囲気が、まるで本物の街角に迷い込んだようなリアリティを生み出しています。
主人公・陳洛軍(チャン・ロッグワン)は、この魚蛋屋でアルバイトをしていました。
店内に足を踏み入れると、劇中で母を亡くした少女の声が響きます。
彼女との出会いは、主人公にとって転機となるものでした。

魚蛋のレシピを店主から教わるも、早口で理解できずに困っていた陳洛軍。
そんな彼に、少女が「そういうときはメモにとるのよ」と優しく助言します。
観客の多くがクスッと笑った、印象的なシーンではないでしょうか。

孤独だった主人公に、家族のような存在ができた…そんな心の変化が、魚蛋屋という小さな空間で静かに描かれていました。
牙醫診所と庶民の医療事情

かつて九龍城砦に150以上も存在したという歯科医院を再現したセットです。

看板には、「月曜-土曜 十時-五時」「夜間診療は別料金」と書かれ、商魂逞しい香港らしさを感じます。

歯科医院の多くは違法で、戦争や社会不安から逃れてきた中国本土や東南アジア出身の人々によって運営されていました。

英語が話せず、香港で正式な資格を取得できなかった彼らは、城砦内で独自に医療行為を行っていました。
料金が安く、設備は簡素でも、当時の庶民にとっては貴重な存在でした。
映画展望台と感動の扉|寨巷内街&城寨光影天台

展示の締めくくりにふさわしい、濃密な空間が広がる「寨巷内街(九龍城砦ミドルストリート)」と「城寨光影天台(九龍城砦映画展望台)」。
靴屋(右側)、病院の看板(左右中央付近)、住民のポスト(左側)には、九龍城砦の生活感がぎっしり詰まっています。

展示の中には、陳洛軍(チャン・ロッグワン)が着ていたジャージも。
くたびれた質感がリアルで、「どうやってここまで劣化させたんだろう」と思わず見入ってしまいます。

あちこちに張り巡らされた電気コードも印象的!
「トワイライトウォリアーズ」のプロモーション動画の中で、主人公の仲間の信一が、「時に助け合い、電気を譲り合う(勝手に分けてもらう)」と紹介する場面がありました。
とても面白かったので、ぜひチェックしてみてください。

窓を覗くと、漢方薬が並ぶ棚が。
そういえば、龍捲風(ロンギュンフォン)が陳洛軍のために大老闆の寝床に漢方薬を持っていったシーンがありましたね。
展示の中には、そんな記憶を呼び起こす仕掛けが随所に散りばめられています。

王九が城寨に乗り込んできたとき、龍捲風が身体を張ってこの扉を閉め、仲間を守った場面がありました。
このコーナー最大の見どころがこの扉です。

龍捲風(ロンギュンフォン)が隙間から信一に遺言のように思いを伝える…。
「ここから離れろ。どうするべきかよく考えて、お前が皆を守るんだ。」
ファンにとっては、胸が熱くなるシーンでした。
九龍城砦 静かなる余韻|トワイライトウォリアーズ展示を観覧して

九龍城砦の路地を歩き、魚蛋屋で立ち止まり、感動の扉の前で足を止める…。
トワイライトウォリアーズの展示は、ただ「観る」だけでなく、「生きる」ような体験でした。
懐かしさや胸の高鳴りを覚えた方もいるでしょう。
それは、物語が遠い世界の話ではなく、私たち自身の感情と響き合っていたからではないでしょうか。
九龍城砦の光と影に触れたこのひとときが、あなたの記憶に静かに残りますように。

