香港公営住宅がどんなものかご興味おありでしょうか。
香港の人がどんなお家に住んでいるか気になるという声を伺いXでアンケートを実施☝
知りたいランキング第一位だった築浅家賃月額1450香港ドルのお部屋をご紹介します。
これを読めば香港公営住宅のリアルが分かりますよ✋
入居までの過程|香港公営住宅
![公営住宅入居手続きをする人のイメージ図、Pixabayからダウンロード](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2024/03/man-5710164_1920-1024x682.jpg)
公営住宅への申請から入居まではどんな過程を経るのでしょうか。
申請要件、待機期間、入居までのステップなど気になるポイントをまとめてみました。
申請要件
香港公営住宅の申請要件は次のとおりです。
申请公屋须符合什么资格?より翻訳引用
香港低所得者用公営住宅の申請要件
低所得者向けの公営住宅については、具体的な要件や詳細はウェブサイト1823などを介して各自お調べください。
一般的には、所得が一定基準以下であることや、同居親族あるいは同居予定親族がいることなどが条件とされます。
需要に供給が追い付いていない香港公営住宅新設問題
香港の不動産価格は世界トップレベルであることは有名な話。
購入する際は、親や親族に頭金を用立ててもらい購入することが多い香港にあって、誰もが支援を受けて購入できるかというとそうはいきません。
そうなってくると、結婚してもしばらくは、親と同居…なんて話もあります。
マンションを申し込むための頭金を貯金し、新居を用意できてから同居をスタートする…という悲しい現実が香港には存在します。
できれば誰もがファシリティーの充実した豪華な物件に住むことを夢見るでしょうが、現実的には、公営住宅に申込み少しでも安く済む場所を確保しようとする方の方が圧倒的に多いです。
しかし香港では公団住宅への入居さえも容易な話ではありません。
まずは抽選に申込み購入資格を得るために当選する必要があります。
香港では住宅の供給が需要においついていないという社会問題があり、公団といえど簡単に購入できないのです。
どれ位供給が追い付いていないか気になるところ☝
香港政府が公式に発表した資料によると、申請から入居までの平均待機期間は、一般的には5.6年、高齢者の方でも3.3年ほどとされています。
そんなに待たされるなんて信じられない…
香港公営住宅の種類
香港の公営住宅は、主に香港政府とその管轄下の公的機関が建設するものです。
永久賃貸住宅、販売助成住宅、仮設住宅に大別されます。
購入に必要な頭金や返済スケジュールについては、個人によることろが大きいですから詳しく述べることは避けますが、一般的には、住宅ローンの頭金は購入価格の一部を占め、返済スケジュールは借入金額、利息率、返済期間などにより異なります。
購入資金確保の不容易さ
2021年6月18日付ブルームバーグ投稿の記事「住宅価格が世界最高の香港、先行き懸念の中でも不動産需要は依然旺盛」によると、過去5年以内に住宅を購入した香港市民の約36%が頭金を父母やその他の親族に支援してもらっていたという調査結果があります。
これは、一世代の努力で住むべきアパートメントの購入資金を確保するのは容易ではないことを物語っています。
香港で不動産を購入するには家族総出の協力がいるんだね…。
なんて大変なんだろう…。
入居まで
購入資金(頭金)を用意できたとしましょう。
政府が公営住宅の建設を発表し入居者抽選会の開催をアナウンスします。
入居希望者はこれに申請をし、当選したらようやく購入する権利を得ることになります。
一部の公営住宅プログラムでは、住宅が完成する前に購入申し込みが行われることがあります。
日本のアパートメント(マンションと言った方が適切でしょうか)では、瑕疵担保責任の問題を懸念して嫌がられる販売スタイル(まずない)ですが、香港では建設完了前に販売をよびかけるのは至極普通のことだったりします。
香港で不動産を購入するのに大事なことは、とにもかくにも抽選に当選することが優先事項なのです。
これについて詳細が知りたい方は、次の公式ウェブサイトをご参照ください。
香港公営住宅での生活
公営住宅にお住まいの方は、どんな間取りのお部屋にお住まいなのでしょうか。
実際の様子に忠実なイラストを添えてご紹介しましょう。
外観
![香港公営住宅のリアル 築浅家賃月額1450香港ドルの部屋を描くの公営住宅皇溢樓の外観
出典私ミシェリー@HKGlossy.comによるペイント](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2024/02/096f0e3bd7140c1d515249bb26ddbf98-576x1024.jpg)
香港の公営住宅は、新旧問わず、画一的。
どのアパートメントも外観デザインはほぼ同じです。
違うのは色の配色と、時を経ての劣化具合くらいです。
ちなみにこの公営住宅は中国深センとの国境近くにある皇溢樓という物件です。
ロビー
![香港公営住宅のリアル 築浅家賃月額1450香港ドルの部屋を描くの公営住宅皇溢樓の建物内通路
出典私ミシェリー@HKGlossy.comによるペイント](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2023/10/abba6689325fd320bfcde10b4fca90c4-576x1024.png)
古くからの香港公営住宅の実際をよく知っている友人にこのペイントを見せたとき、「公営住宅ってこんなんじゃないわよ、通路が外にむき出しなやつでしょ?」と突っ込まれました。
古くからある公営住宅は、東京にもある低層公団住宅の造りに似ており、通路が外にむき出しで、雨が入り込んでくる作りとなっているものが多かったのですが、近年ではペイントのようにしっかり壁で塞がれ、雨風に強い造りとなっております。
香港の公営住宅の特徴を感じられるデザインとなっており、通路も扉も、無機質で画一的なデザインとなっております。
日本の公立学校や病院を連想させるような様相です。
玄関扉
![香港公営住宅のリアル 築浅家賃月額1450香港ドルの部屋を描くの公営住宅皇溢樓の玄関扉
出典私ミシェリー@HKGlossy.comによるペイント](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2023/10/01bf9ca11e1a74bb295255e6374ea272-576x1024.png)
香港の公営住宅の玄関扉は二枚扉となっております。
表一枚目は分厚い鉄扉となっており、防犯を強く意識しています。
内側の扉は部屋に通ずる扉で、お家の顔でもあります。
イラストのように、玄関先には旧正月に飾られる赤い装飾春聯(縁起のいい言葉が記されている)を貼っているお宅も少なくないです。
玄関からお部屋をのぞいてみる
![香港公営住宅のリアル 築浅家賃月額1450香港ドルの部屋を描くの公営住宅皇溢樓の玄関から部屋の奥を覗いた様子
出典私ミシェリー@HKGlossy.comによるペイント](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2023/10/d70180fe9a53618c529916a80c65e302-576x1024.png)
イラストで見ると少し奥行きを感じるかもしれませんが、そんなことありません。
「きゅっ」とコンパクトにまとめられた230Sqf.ほどの広さに、寝室、リビング、子ども部屋、キッチン、バスルームが仕切られております。
230Sqf.って、つまりは、21平方メートル…広くはないのです。
窓
![香港公営住宅のリアル 築浅家賃月額1450香港ドルの部屋を描くの公営住宅皇溢樓の部屋の窓
出典私ミシェリー@HKGlossy.comによるペイント](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2023/10/fa4e3b0de9244e1c188780a292714c9f-576x1024.png)
香港の公営住宅のお部屋の窓は、どれもこんな感じ。
窓ガラスの手前には、外すのが困難な鉄柵がついており、圧迫感と閉塞感を感ぜずにはいられません。
民間で売買されるマンションは絶景を楽しめるように継ぎ目のない美しい一枚ガラスの窓であることが多いですが、それは夢のまた夢。
香港の公営住宅は、安全性、防犯性、建物の維持の観点から、鉄柵を施されていることが多いのです。
収納事情
![香港公営住宅のリアル 築浅家賃月額1450香港ドルの部屋を描くの公営住宅皇溢樓の収納
出典私ミシェリー@HKGlossy.comによるペイント](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2023/10/e5c4a1d91a154697939fafc109bafd59-576x1024.png)
香港の公営住宅は、収納スペースが設計されていることは少ないです。
わずかな引き出しが用意されている位のものです。
入らないことが予想されますので、部屋にむき出しで積む…こういった感じで住むことになるのが実際です。
香港では、ベッドで眠る生活様式であることが多いわけですが、こちらのお宅では、メインベッドルームにはベッドはありません。
そんなスペースなどないのです。
そのかわり万年床でお布団(黄緑色)が敷かれたまま暮らしていらっしゃいます。
リビングスペース
![香港公営住宅のリアル 築浅家賃月額1450香港ドルの部屋を描くの公営住宅皇溢樓のリビング
出典私ミシェリー@HKGlossy.comによるペイント](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2023/10/c138e29815b2fcdbd15e569f46b1cfde-576x1024.png)
小さなリビングスペースに、エアコンとソファーが用意されております。
ソファーから3メートルもないところには壁とテレビが設けられており、圧迫感を多少感じながら座って視聴することになるでしょう。
目が悪くなるからテレビから離れなさい!
そんなお母さんのお叱りはできそうにありませんね…(笑)
設置されているエアコンは、日本で見かけるモデルのエアコンとは大きく違います。
香港では、換気扇のような壁埋め込み式の四角形のマシーンのエアコンであることが多いです。
こちらのお宅は香港では珍しく、日本型モデルのエアコンを導入されています。
今時なデザインを好まれて購入したのでしょう。
ところでご存知ですか。
香港では、こういった見た目日本で流通するのと同じような横長エアコンであっても、暖房機能がついていないものが多いです。
送風と冷房機能のみなんですよ!
エアコンに暖房がついていなかったことは、香港にきて驚いたことの一つです☝
子ども部屋を設置するとこうなる
![香港公営住宅のリアル 築浅家賃月額1450香港ドルの部屋を描くの公営住宅皇溢樓の子ども部屋
出典私ミシェリー@HKGlossy.comによるペイント](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2023/10/429b4162b748db17c06c138488e59a6d-576x1024.png)
こちらのお宅は、第二ベッドルームを子ども部屋として利用しているようです。
子どもさんには、かわいいお部屋を用意されたかったのでしょう。
香港ではIKEA等家具屋さんにいくと、イラストのように学習机とベッドがセットになっているものが販売しており、こちらのお宅もこれを購入されたようです。
圧迫感のある勉強机スペースの上には…
![香港公営住宅のリアル 築浅家賃月額1450香港ドルの部屋を描くの公営住宅皇溢樓の子ども部屋
出典私ミシェリー@HKGlossy.comによるペイント](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2023/10/54e1092673c1bc110f14d4a765b8dd80-576x1024.png)
ベッドがあります。
リビングにあったエアコンが届きませんので、扇風機を設置して涼をとれるように配慮してあります。
キッチン
![香港公営住宅のリアル 築浅家賃月額1450香港ドルの部屋を描くの公営住宅皇溢樓のキッチン
出典私ミシェリー@HKGlossy.comによるペイント](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2023/10/1e696c546fa869778a44c06339a2f400-576x1024.png)
築浅公団住宅だからでしょうか、洗濯機が設置されております。
香港ではご自宅に洗濯機を設置されているご家庭は少なくないです。
こちらのお宅は、キッチンに洗濯機を置くスペースがレイアウトされていたのでしょう。
ドラム型の洗濯機が目立ちます。
とても狭いスペースで効率よくお料理をしたり、最低限のツールを納めるために、所狭しとレイアウトされているのも特徴です。
引き出し型の収納スペースはきっとご自分で手配されたもの。
シンク、窓、作業大のサイズ等、日本に比べるとどれも小さめサイズになっているのが印象的です。
バスルーム
![香港公営住宅のリアル 築浅家賃月額1450香港ドルの部屋を描くの公営住宅皇溢樓のバスルーム
出典私ミシェリー@HKGlossy.comによるペイント](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2023/10/4d38e6aa18891fe8e4c1be1423ecd8df-576x1024.png)
トイレの便器と、シャワーが隣り合わせの、外国でよくあるユニットデザイン。
日本人からすると、用を足すところと、身体を洗うところが一緒になっていて、そこを裸足で歩くことを思うと若干ぞっとしますが、これが普通です。
シャワーを浴びるときは、水が飛び散らないように、シャワーカーテンを引きます。
同じ空間のなかには、洗面台もあります。
![香港公営住宅のリアル 築浅家賃月額1450香港ドルの部屋を描くの公営住宅皇溢樓のバスルーム
出典私ミシェリー@HKGlossy.comによるペイント](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2023/10/5879983223805e26d072272ad5666861-576x1024.png)
何度も強調しますが、決して広くはない空間に、トイレ、シャワー、洗面台の3つがギュッと設置されており、生活感漂います。
家電の配置が難しい
![香港公営住宅のリアル 築浅家賃月額1450香港ドルの部屋を描くの公営住宅皇溢樓の冷蔵庫が玄関に
出典私ミシェリー@HKGlossy.comによるペイント](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2023/10/2cab5c0f74ecab92d8c148af65bcc753-576x1024.png)
これは玄関入ったところのホール。
あれ?玄関に冷蔵庫がある!
台所にスペースがなく冷蔵庫を玄関に置くしかなかったのです。
香港の公団住宅は、コンセントの配電位置にがっかりすることが多いです。
家電を設置するとき、コンセントの場所が悪く適切な場所に設置することが難しいのです。
こと230Sqf.のお部屋にあってはなおのこと。
苦肉の判断で玄関に設置されたことが伺えます。
公営住宅とその周辺
![香港公営住宅の住環境のイメージ図、Pixabayからダウンロード](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2024/03/couple-7297174_1920-1024x682.jpg)
Address | Queen’s Hill Estate, Kwan Tei |
先にも申しましたが、この公営住宅皇溢樓は、中国深センとの国境近くの物件。
大きなショッピングモールや有名学校が近隣にあるようなところではなく、どこかしら中国大陸からきた人たちが主だって形成されたエリアであることを肌で感じるところです。
住まうのに、便利か不便かという話題になれば、実際暮らしが始まればなんとかなとでしょう。
アパートメント建設計画時に、暮らしを支えるサービサーを誘致する計画もするので、大きなショッピングモールがなくてもなんとかなる…そういう話です。
また、バスの路線も再考され、暮らしの導線は政府により敷かれることになります。
このアパートメントの最寄駅は、MTR粉嶺駅です。
残念ながら駅から近くはありませんことを申し添えます。
学校や会社に行く場合は、主にバスを利用しアクセスすることになるでしょう。
中国深センとの行き来で生計を立てている人も多く居住している地域ですので、そういった方には魅力的な物件といえましょう。
さいごに
![香港では堅実に生きていくことが大事のイメージ図](https://hkglossy.com/wp-content/uploads/2024/03/euro-870757_1920-1024x682.jpg)
香港の公営住宅の購入や入居申請にあっては、「永住権」を持っていることや国籍要件が問われます。
外国人にとっては、ローカルと結婚したり家庭を築かない限りはあまりご縁のないアパートメントでもあります。
Twitter Xで、香港のアパートメントでどれを知りたいですかとアンケートをとったところ、私の予想を反してまさかの公営住宅に票が集まりましたので、一生懸命調べて記事にしてみました。
地価の高い香港では堅実に生きていくことが肝要だと…感ぜずにはいられませんでした。
香港の公団住宅のリアルをVlogでもご紹介しております✋
以上、香港の公団住宅のリアルをお届けしました。