香港公営住宅がどんなものかご興味おありでしょうか。
香港の人がどんなお家に住んでいるか気になるという声を伺いXでアンケートを実施☝
知りたいランキング第一位だった築浅家賃月額1450香港ドルのお部屋をご紹介します。
これを読めば香港公営住宅のリアルが分かりますよ✋
入居までの過程|香港公営住宅
公営住宅への申請から入居まではどんな過程を経るのでしょうか。
申請要件、待機期間、入居までのステップなど気になるポイントをまとめてみました。
申請要件
香港公営住宅の申請要件は次のとおりです。
申请公屋须符合什么资格?より翻訳引用
香港低所得者用公営住宅の申請要件
低所得者向けの公営住宅については、具体的な要件や詳細はウェブサイト1823などを介して各自お調べください。
一般的には、所得が一定基準以下であることや、同居親族あるいは同居予定親族がいることなどが条件とされます。
需要に供給が追い付いていない香港公営住宅新設問題
香港の不動産価格は世界トップレベルであることは有名な話。
購入する際は、親や親族に頭金を用立ててもらい購入することが多い香港にあって、誰もが支援を受けて購入できるかというとそうはいきません。
そうなってくると、結婚してもしばらくは、親と同居…なんて話もあります。
マンションを申し込むための頭金を貯金し、新居を用意できてから同居をスタートする…という悲しい現実が香港には存在します。
できれば誰もがファシリティーの充実した豪華な物件に住むことを夢見るでしょうが、現実的には、公営住宅に申込み少しでも安く済む場所を確保しようとする方の方が圧倒的に多いです。
しかし香港では公団住宅への入居さえも容易な話ではありません。
まずは抽選に申込み購入資格を得るために当選する必要があります。
香港では住宅の供給が需要においついていないという社会問題があり、公団といえど簡単に購入できないのです。
どれ位供給が追い付いていないか気になるところ☝
香港政府が公式に発表した資料によると、申請から入居までの平均待機期間は、一般的には5.6年、高齢者の方でも3.3年ほどとされています。
そんなに待たされるなんて信じられない…
香港公営住宅の種類
香港の公営住宅は、主に香港政府とその管轄下の公的機関が建設するものです。
永久賃貸住宅、販売助成住宅、仮設住宅に大別されます。
購入に必要な頭金や返済スケジュールについては、個人によることろが大きいですから詳しく述べることは避けますが、一般的には、住宅ローンの頭金は購入価格の一部を占め、返済スケジュールは借入金額、利息率、返済期間などにより異なります。
購入資金確保の不容易さ
2021年6月18日付ブルームバーグ投稿の記事「住宅価格が世界最高の香港、先行き懸念の中でも不動産需要は依然旺盛」によると、過去5年以内に住宅を購入した香港市民の約36%が頭金を父母やその他の親族に支援してもらっていたという調査結果があります。
これは、一世代の努力で住むべきアパートメントの購入資金を確保するのは容易ではないことを物語っています。
香港で不動産を購入するには家族総出の協力がいるんだね…。
なんて大変なんだろう…。
入居まで
購入資金(頭金)を用意できたとしましょう。
政府が公営住宅の建設を発表し入居者抽選会の開催をアナウンスします。
入居希望者はこれに申請をし、当選したらようやく購入する権利を得ることになります。
一部の公営住宅プログラムでは、住宅が完成する前に購入申し込みが行われることがあります。
日本のアパートメント(マンションと言った方が適切でしょうか)では、瑕疵担保責任の問題を懸念して嫌がられる販売スタイル(まずない)ですが、香港では建設完了前に販売をよびかけるのは至極普通のことだったりします。
香港で不動産を購入するのに大事なことは、とにもかくにも抽選に当選することが優先事項なのです。
これについて詳細が知りたい方は、次の公式ウェブサイトをご参照ください。
香港公営住宅での生活
公営住宅にお住まいの方は、どんな間取りのお部屋にお住まいなのでしょうか。
実際の様子に忠実なイラストを添えてご紹介しましょう。
外観
香港の公営住宅は、新旧問わず、画一的。
どのアパートメントも外観デザインはほぼ同じです。
違うのは色の配色と、時を経ての劣化具合くらいです。
ちなみにこの公営住宅は中国深センとの国境近くにある皇溢樓という物件です。
ロビー
古くからの香港公営住宅の実際をよく知っている友人にこのペイントを見せたとき、「公営住宅ってこんなんじゃないわよ、通路が外にむき出しなやつでしょ?」と突っ込まれました。
古くからある公営住宅は、東京にもある低層公団住宅の造りに似ており、通路が外にむき出しで、雨が入り込んでくる作りとなっているものが多かったのですが、近年ではイラストのようにしっかり壁で塞がれ、雨風に強い造りとなっております。
香港の公営住宅の特徴を感じられるデザインとなっており、通路も扉も、無機質で画一的なデザインとなっております。
日本の公立学校や病院を連想させるような様相です。
玄関扉
香港の公営住宅の玄関扉は二枚扉となっております。
表一枚目は分厚い鉄扉となっており、防犯を強く意識しています。
内側の扉は部屋に通ずる扉で、お家の顔でもあります。
イラストのように、玄関先には旧正月に飾られる赤い装飾春聯(縁起のいい言葉が記されている)を貼っているお宅も少なくないです。
玄関からお部屋をのぞいてみる
イラストで見ると少し奥行きを感じるかもしれませんが、そんなことありません。
「きゅっ」とコンパクトにまとめられた230Sqf.ほどの広さに、寝室、リビング、子ども部屋、キッチン、バスルームが仕切られております。
230Sqf.って、つまりは、21平方メートル…広くはないのです。
窓
香港の公営住宅のお部屋の窓は、どれもこんな感じ。
窓ガラスの手前には、外すのが困難な鉄柵がついており、圧迫感と閉塞感を感ぜずにはいられません。
民間で売買されるマンションは絶景を楽しめるように継ぎ目のない美しい一枚ガラスの窓であることが多いですが、それは夢のまた夢。
香港の公営住宅は、安全性、防犯性、建物の維持の観点から、鉄柵を施されていることが多いのです。
収納事情
香港の公営住宅は、収納スペースが設計されていることは少ないです。
わずかな引き出しが用意されている位のものです。
入らないことが予想されますので、部屋にむき出しで積む…こういった感じで住むことになるのが現実です。
香港では、ベッドで眠る生活様式であることが多いわけですが…。
こちらのお宅は床に直接お布団をひいておりますね。
万年床となることでしょう…。
公営住宅では、ベッドを置くのも一苦労なんです。
リビングスペース
小さなリビングスペースに、エアコンとソファーが用意されております。
ソファーから3メートルもないところには壁とテレビが設けられており、圧迫感を多少感じながら座って視聴することになるでしょう。
目が悪くなるからテレビから離れなさい!
そんなお母さんのお叱りはできそうにありませんね…(笑)
設置されているエアコンは、日本で見かけるモデルのエアコンとは大きく違います。
香港では、換気扇のような壁埋め込み式の四角形のマシーンのエアコンであることが多いです。
こちらのお宅は香港では珍しく、日本型モデルのエアコンを導入されています。
今時なデザインを好まれて購入したのでしょう。
ところでご存知ですか。
香港では、こういった見た目日本で流通するのと同じような横長エアコンであっても、暖房機能がついていないものが多いです。
送風と冷房機能のみなんですよ!
エアコンに暖房がついていなかったことは、香港にきて驚いたことの一つです☝
子ども部屋を設置するとこうなる
こちらのお宅は、第二ベッドルームを子ども部屋として利用しているようです。
子どもさんには、かわいいお部屋を用意されたかったのでしょう。
香港ではIKEA等家具屋さんにいくと、イラストのように学習机とベッドがセットになっているものが販売しており、こちらのお宅もこれを購入されたようです。
圧迫感のある勉強机スペースの上には…
ベッドがあります。
リビングにあったエアコンが届きませんので、扇風機を設置して涼をとれるように配慮してあります。
キッチン
築浅公団住宅だからでしょうか、洗濯機が設置されております。
香港ではご自宅に洗濯機を設置されているご家庭は少なくないです。
こちらのお宅は、キッチンに洗濯機を置くスペースがレイアウトされていたのでしょう。
狭い間取りを有効活用するために、デッドスペースが出ないようにきっちり収納されています。
引き出し型の収納スペースはきっとご自分で手配されたものですね。
シンク、窓、作業大のサイズ等、日本に比べるとどれも小さめサイズになっているのが印象的です。
バスルーム
トイレの便器と、シャワーが隣り合わせの、外国でよくあるユニットデザイン。
日本人からすると、用を足すところと身体を洗うところが一緒になっていて、そこを裸足で歩くことを思うとぞっとしますが、香港ではこれが普通です。
シャワーを浴びるときは、水が飛び散らないように、シャワーカーテンを引きます。
同じ空間のなかには、洗面台もあります。
何度も強調しますが、決して広くはない空間に、トイレ、シャワー、洗面台の3つがギュッと設置されており、生活感漂います。
家電の配置が難しい
これは玄関。
あれっ?玄関先に冷蔵庫を置いているよ!
台所にスペースがなく、玄関に置くしかなかったのです。
冷蔵庫の設置は、スペースが必要なだけでなく、コンセントから届くことも必要になってきます。
香港の公営住宅は、コンセントの配電位置悩まされることが多いです
こと230Sqf.のお部屋にあっては家電配置のご苦労はなおのこと。
苦肉の判断で玄関に設置されたことが伺えます。
公営住宅とその周辺
先にも申しましたが、この公営住宅皇溢樓は、中国深センとの国境近くの物件。
大きなショッピングモールや有名学校が近隣にあるようなところではありません。
中国大陸からきた人たちが主だって形成されたエリアであることを肌で感じるところです。
公共交通機関はバスしかなく、移動に時間の読めるMTRの利用は期待できません。
それでも欲しい!我が住処。
たとえそれが不便なところだったとしても、購入を夢見て応募するのです。
今度こそ購入権GETするぞ!ってね。
さいごに
Twitter Xでアンケートをとったところ、香港の公団住宅について知りたいと票が集まりましたので今回話題に取り上げてみました。
香港は家を借りるにも買うにもとてもお金が要ります。
香港では堅実に生きていくことが肝要だと…感ぜずにはいられません。
香港で暮らすって大変なこと!
ローカルの皆さんに尊敬の念を感じてなりません。
香港の公団住宅のリアルをVlogでもご紹介しております✋
以上、香港の公団住宅のリアルをお届けしました。
それでは、また!